弁護士の就職と若手弁護士の仕事 blog

弁護士の就職と、若手弁護士の仕事について、まもなく中堅に差し掛かりそうな弁護士が知っていることを記録するブログです。

(番外編)裁判官や検察官への道

このブログでは弁護士の就職活動を中心に記事を上げてきましたが、番外編として、裁判官や検察官になる道についても触れておきたいと思います。

ご存じの方も多いと思いますが、

現在、日本では法曹一元という考えの下で、裁判官、検察官、弁護士のいわゆる法曹三者は、司法試験合格後に同じ司法修習で研修を受け、司法修習中に進路を確定してそれぞれの道を歩みます。

裁判官と検察官は、司法修習中に指導教官などの推薦を受けて、それぞれ裁判所、検察庁の所定の審査を得て任官します(と昔修習で説明を受けた記憶ですが、審査機関や手続は厳密には違うかもしれません。)。

それぞれの選考基準は、はっきりは公表されていないのですが、修習時の体感としては概ね以下のとおりです。

もちろん本人の希望があることが前提ですが、選考基準で飛びぬけてよい人やその見込みがある人には、研修所の教官からリクルートの声がかかります。

 

1.裁判官

司法修習中の成績(特に起案)

年齢

司法試験の成績

2.検察官

検察修習での成績、評価(取り調べの適性などを見られる)

年齢

司法修習中の起案の成績

志望度がどれくらい強いか

司法試験の成績

 

裁判官は、志望が強いかどうかより、すべての修習中の起案でよい評価を積み重ねることができるかどうかが重要です。なお、司法修習中の起案は、知識で差がつくというより、型や考え方が決まっているので、それをどれだけ正確に覚え再現できるかが成績に直結する気がします。弁護士志望の修習生はそれほど起案の成績は関係がないため(二回試験に落ちさえしなければOKという立場です)、手を抜かず継続的に起案の勉強をしておけばそれほど大変なことというわけではないのですが、修習中に他の修習生は修習生活を楽しんでいる中で自分は勉強時間を確保することができるかどうか、気持ちの面では大変かもしれませんね。年齢は、おおよその傾向としては、30歳よりは若くないと厳しいかもしれません。任官してからの年功序列によるポスト配転の関係ですね。ロースクール既習経由で最短の年齢から+2か3くらいまでは全く問題ないと思いますが、それ以上だともしかするとマイナス評価になるケースが出てくるかもしれません。司法試験の成績は、上位4分の1以内には入っている方がいいと思いますが、それを超えたからダメということもないと思います。修習中の起案の成績がほぼすべて、という感じです。

 

検察官は、検察官としての適性、志望度の強さがより重視されます。さすが体育会系の組織というべきか、検察官とのつながりで教官に事前に推薦され、司法修習に入るとすでに目をかけてくれるということもあります。起案の成績も、悪くてはまずいものの、検察起案以外は普通程度の評価でも差支えはないと思います。それ以外は上記裁判官で書かせて頂いたことと同じです。

 

司法試験受験生時代からできる対策としては、

どちらも、司法試験の成績をできるだけよい成績とすること、

また合格まで時間をかけすぎないこと(年齢の関係で)、

だと思います。

予備試験との関係では、どちらも修習中のことが主な選考基準なので、予備試験に合格していてもしていなくてもそれほど違いは出ないのではないかと思いますが、私は予備試験の世代ではないので詳しくは分かりません。