弁護士の就職と若手弁護士の仕事 blog

弁護士の就職と、若手弁護士の仕事について、まもなく中堅に差し掛かりそうな弁護士が知っていることを記録するブログです。

司法修習に行くかどうか

先日、合格後に企業法務部への就職を志望していて、司法修習に行くかどうか迷われている方がいました。 司法修習に行かずとも企業内の実務経験を積めば弁護士登録ができる仕組みになっていますので、司法修習に行き一年を使うよりすぐに仕事を始めるべきでは…

合格発表と初動

先日試験の合格発表がありましたが、発表前後から沢山の方がこのブログを訪れてくださっているようです。 もう10年以上前ですが、法務省に発表を見に行き、その夜友人達と飲み明かしたことを思い出しました。 今年は合格者が1400人ほどで、法曹界に来られる…

募集していない事務所へのアプライ

修習のとき、同期の友人が、とあるベテランの先生に感銘を受け、募集していない事務所だったのですが、熱烈な手紙を送ってアピールし、新人弁護士として採用されたことがありました。 珍しい例だとは思うのですが、特定の先生や事務所に惚れ込んだり、特定分…

1日のスケジュール例

弁護士のスケジュール例は、弁護士や事務所ごとに千差万別ですが、以下のリンク先で、スケジュール例のご紹介がされております。人それぞれ、日にもよるのですが、ご参考になりましたら幸いです。なお、企業法務系事務所と一般民事系事務所では、裁判の有無…

ブログご紹介

記事を書くに当たり、他の先生方はどんなことを書かれているのかと検索することがあるのですが、以下の先生方のブログは、このブログをご覧頂いている方にも参考にして頂けるのではないかと思いましたので、勝手ながらご紹介させて頂きます。私のブログより…

弁護士業の忙しさ

早速記事のリクエストを頂きました。 弁護士業の忙しさについて書いてみようと思います。 まず、仕事の忙しさは、事務所ごと、弁護士ごとに全く違うと思います。 企業法務系の事務所ですと、総じて、10年目くらいまでは下働きで時間がかかる作業も多くて忙し…

案件分野が絞られていく過程

久しぶりの更新になってしまいました。 この間にも毎日のべ数十人の方がこのブログを見てくださっているようです。昔、私が先輩法曹のブログを読んで今があるように、少しでもお役に立つ記事があれば嬉しいです。 なお、もしご希望のテーマなどありましたら…

若手弁護士のキャリア

久しぶりの更新になってしまいましたが、今回は若手弁護士のキャリアについて書いていきたいと思います。 なお、はてなブログの機能で記事閲覧数の合計が出るのですが、すでに2000件を超えたようです。これから法曹を志される方や、修習生の方に、多少で…

採用側の発想

大都市圏の名の通った企業法務系事務所(大量採用の大手を除く)は、例年、アソシエイト弁護士を募集しますと応募が殺到していると思います。倍率は、多くの場合10倍を超え、募集人数が少ないと数十倍ということもありそうです。採用側は、ある程度形式的な基…

就職活動 面接対策

弁護士の採用活動をしていますと、面接対策というほどではないのですが、面接で好印象の発言、避けるべき発言があるような気がします。 全く専門外のことでお恥ずかしい面もあるのですが、これから就職活動をされる方に、多少でもご参考になりましたら幸いで…

司法試験の合格率上昇と就職活動

司法試験の受験者減少、合格率上昇は、少なからず就職活動に影響を与えている気がします。 私の事務所には毎年のように修習生やエクスターン生が来られていて、話を聞いていたり、接していますと、もちろん個人差が非常に大きいという前提ですが、手ごたえと…

法科大学院と予備試験

就職活動の際に、予備試験に合格している方が有利な材料になることが多いことは前の記事でご紹介しましたが、少なくとも現在の傾向では、たとえば大手事務所に入るためには予備試験に合格していなければいけない(必須条件になる)かというと、そうではあり…

弁護士の就職16 司法試験合格発表前後の就職活動の違い

以前の記事で就職活動に際して重視される要素をテーマにさせていただきましたが、司法試験の合格発表前後でその傾向も大きく変わりますので、補足しておきます。 司法試験の合格発表前に面接が始まる四大や外資、一部中堅やブティックは、司法試験の結果が出…

(余談)R2 司法試験結果

司法試験の合格発表がされたようです。 合格者数は1450人で、1500人を若干下回ったようですが、合格率が約39.1%でした(合格者÷受験者)。10年ほど前は20パーセント台で推移していたと思いますので、ほぼ4割というのは驚きました。 合格率が上がることも悪…

弁護士の就職15 都市圏と地方の違い

日本では弁護士数が偏っていて、東京や大阪など大都市圏に多くの弁護士が登録しています。少し前の統計では以下のように分布していて、今は東京だけで全国の半分くらいを占めていると思います。http://www.moj.go.jp/content/001238116.pdfこれはやはり、人…

(番外編)裁判官や検察官への道

このブログでは弁護士の就職活動を中心に記事を上げてきましたが、番外編として、裁判官や検察官になる道についても触れておきたいと思います。 ご存じの方も多いと思いますが、 現在、日本では法曹一元という考えの下で、裁判官、検察官、弁護士のいわゆる…

弁護士の就職14 企業内弁護士(インハウス)(1月16日加筆)

これまで企業法務系法律事務所への就職活動を中心に書いてきましたが、インハウスについても少し触れておきたいと思います。 インハウスへの就職は、法律事務所とは異なることが多いです。スケジュールとしては、東京なら、来年2月頃に修習生を対象として説…

弁護士の就職⑬ 給与の水準(加筆)

事務所や年によって全く異なりますが、事務所やキャリアパスごとの給与(報酬)の水準について私が把握している情報を書かせて頂きます。 第一にお金を儲けたいという場合は、弁護士ではなく、起業したり、外資系の会社に一般就職で入る方が、試験合格までの…

弁護士の就職⑫ 学部、ロースクールの成績について

学部やロースクールの成績が就職活動にどの程度影響を及ぼすかについては、事務所により評価が異なると思いますが、大まかな傾向として、 学歴ほどではないが、成績もそれなりに評価対象になる(重要である) といえると思います。 以前の記事で東大ロースク…

(余談)司法試験の勉強について

大学生の方もこのブログをご覧頂いているようです。 かなり前の情報になってしまうのですが、司法試験(や予備試験)の勉強法とでもいうべきものを書いてみます。一個人の感想に過ぎませんが、私自身多数の先輩合格者の話を聞いて勉強法を模索していましたの…

弁護士の就職⑪ ブティック系事務所に入るには

これまでの記事で私が知っていることは概ね書き終えてしまいましたが(お役に立っていなかったらすいません)、この記事では、ブティック系事務所に入るにはどうすべきかを書きたいと思います。 前の記事に書いた通り、ブティック系事務所とは、企業法務系事…

弁護士の就職⑩ ロースクールではどう過ごすか

企業法務系事務所への就職を目指す場合、ロースクールではどのように行動すべきかも、踏まえておく必要があります。 選考基準は前の記事に書かせて頂いたとおり、学歴、成績、年齢、予備試験合格の有無などですから、ロースクールの修了時にこれらのパラメー…

弁護士の就職⑨ サマクラ、ウィンタークラークなど

サマークラーク(略してサマクラ)、ウィンタークラーク、スプリングクラークなど、ロースクール在学生や予備試験合格者を対象に短期間のクラークを募集している事務所があります。 多くは、法令調査やリサーチなど弁護士の補助業務を行ってもらうと書いてあ…

弁護士の就職⑧ 事務所選びのコツ

就職活動をする際、実際に事務所に入って働いたことがあるわけではないので、どの事務所に入るべきか(就職活動すべきか)迷う方もいらっしゃると思います。 私が考える事務所選びのコツは、次のとおりです。 1 取扱業務に興味が持てるか 2 待遇に満足でき…

弁護士の就職⑦ ロースクールから四大、準大手事務所を目指すには

前の記事で、四大や準大手事務所を目指すには、 ・学歴 ・成績 ・年齢 ・予備試験合格の有無 などが選考基準になることを書きましたが、 仮に、四大や準大手事務所への採用実績がない又は少ないロースクールに入った場合は、成績がどれだけ良くても、過去の…

弁護士の就職⑥ ロースクールは高学歴といわれるところに(企業法務系事務所への就職を目指す場合)

これまでご紹介した通り、特に中規模以上の企業法務系事務所への就職を目指す場合、学歴は相当に高いものが要求されます。 場合によっては、入るだけでほぼ自動的に足切りとなってしまう大学院も、現実としてはあり得ます。そのため、企業法務系事務所を目指…

弁護士の就職⑤ 中規模事務所に入る方法

弁護士の所属人数が数十人程度の、いわゆる中規模事務所に入る方法(就職活動)について書いていきます。おそらくこのくくりに入ることで異論が少ないと思われるのは、東京でいえば、敬称略で、岩田合同、田辺総合、牛島総合、東京丸の内、桃尾・松尾・難波…

弁護士の就職④ 大手、四大や準大手に入るには

企業法務系事務所への就職活動について書いていきます。 (前提) 入りたい事務所の弁護士のプロフィールを見てみると、学歴や年齢、経歴に偏りがあることが多いと思います。 事務所によって、どのような人材を取りたいかの考え方(選考基準)が異なり、すで…

弁護士の就職③ 企業法務系事務所の分類(規模別、外資系、ブティック系)

この記事では、企業法務系事務所への就職活動について書こうと思います。 企業法務系事務所の種類は、規模別で分けると次のとおりです。 ・大手事務所 いわゆるNA,NOT,MHM,AMTです。企業法務のうち、すべての業務分野を扱い、どの分野も深い専門性があります…

弁護士の就職② 法律事務所の規模

弁護士の就職①に続き、企業法務事務所と一般民事事務所を詳しくご紹介する前に、就職活動の際にしばしば就職希望者が重視する「法律事務所の規模」について書いておきたいと思います。 ここ数年は、法律事務所を所属弁護士数の多い順にランキングしたデータ…