弁護士の就職と若手弁護士の仕事 blog

弁護士の就職と、若手弁護士の仕事について、まもなく中堅に差し掛かりそうな弁護士が知っていることを記録するブログです。

弁護士の就職⑬ 給与の水準(加筆)

事務所や年によって全く異なりますが、事務所やキャリアパスごとの給与(報酬)の水準について私が把握している情報を書かせて頂きます。

第一にお金を儲けたいという場合は、弁護士ではなく、起業したり、外資系の会社に一般就職で入る方が、試験合格までのコストもかかりませんし青天井なので、弁護士以外の選択肢を選ぶ方が良い気もしますが、一つの参考としてご覧頂けますと幸いです。

なお、毎年毎年景気や業界動向によって変わるので、今の水準とは異なっているかもしれず、またカテゴリーは凡そで、事務所によって全く違う水準であることもよくあると思いますので、一個人の意見として参考程度でご覧下さい。

シニアアソシエイトまでは、事務所からの支給額と個人事件(自分で依頼を受けて対応する事件)の合計額の目安で、経費はそれほどかからないため一般就職の給与額面と大きく変わらないことが多いです。他方、パートナーになると基本的に個人事件中心となり経費もアソシエイトと給与や事務所賃料、事務員の給与支払いなどで何割かは経費で消えるため、単純比較はできませんが、以下の数字は経費差し引き後税金支払い前のおおよその目安の金額で記載しました。一般就職で会社に勤務する場合の給与額面に相当する金額として、参考としてご覧頂けますと幸いです。

 

1.四大、外資、一部ブティック

初任給 1200万円~1500万円前後

シニアアソシエイト(5年目以降から10年目前後まで) 1500万円~3000万円前後

パートナー 3000万円~数億程度

 

2.準大手、中堅、一部小規模

初任給 800万円~1200万円前後

シニアアソシエイト 1000万円~2000万円前後

パートナー 2000万円~(自分次第)

 

3.小規模

初任給 500万円~800万円前後

シニアアソシエイト 800万円~1200万円前後(個人事件次第)

パートナー 1200万円~(自分次第)

 

4.一般民事系事務所

初任給 500万円~700万円前後

シニアアソシエイト 700万円~(個人事件次第)

パートナー 1000万円~(自分次第)

※地方のベテラン弁護士の経費を引いた後税金支払い前の年収額面は、3000万円くらいが一つの目安と聞いたことがあります。

 

事務所によっては上記レンジ以外の事務所もあり、あくまでご参考値ですが、多くの先生に「まぁ、大体そんなものでは」と言っていただける水準ではないかと思います。

どの事務所も、新人からシニアアソシエイトまで続けられるか、シニアアソシエイトからパートナーに昇格できるか、もちろん選抜がありますが、この業界の収入水準は巷で言われているほど悪くない気もします。

ではお前の事務所はどうなんだとご質問を頂きそうですが、初任給は3、シニアアソシエイト以降は1という感じです。

弁護士は年収が下がっていると言われますが、新興系の事務所でも数年で1000万円程度は行くようですし、東京の企業法務系事務所では人手不足の傾向にあります。

 なお、この中に記載がないカテゴリーでも、例えば刑事で著名な先生の中には億単位の売り上げを上げておられる方もいらっしゃるでしょうし、最近増えている広告を活用して規模を拡大している先生は10億円以上の売り上げを上げておられる方もいるかもしれません。弁護士業はやめて弁護士資格を利用して起業されている先生もいらっしゃいますし、弁護士も自営業者の一つということで、やり方次第かもしれません。