弁護士の就職と若手弁護士の仕事 blog

弁護士の就職と、若手弁護士の仕事について、まもなく中堅に差し掛かりそうな弁護士が知っていることを記録するブログです。

弁護士の就職① どんな事務所があるのか

数回に分けて、弁護士の就職について書いていきたいと思います。

 

昨今、様々な規模、形態、取り扱いの法律事務所があり、法律事務所を形式的に分類することは難しくなっている気がしますが、まずは取扱業務で分けるのが、就職の際には有益だと思います。

 

大きく分けて、企業法務を中心とする事務所(以下企業法務事務所といいます。)、一般民事事件を中心とする事務所(以下一般民事事務所といいます。)に分けて考えます。これ以外にも、刑事事件を専門にする事務所、弁護団事件など特殊な事件を中心にする事務所(多くが一般民事事務所の側面もあると思いますが)、企業法務も一般民事も半々で扱っておりどちらと分類できない事務所など、様々な事務所がありますが、細かい例外は割愛して2つに分類して考えていきます。

なお、企業法務とは何かという難しい問題もあるのですが、ここでは企業(会社を中心に、団体、各種法人を含む。)から依頼を受けて行う法律事務と考えておきます。

 

一般民事事務所は、いわゆる町弁(マチベン)で、町医者のように一般の方から幅広く様々な相談を受け対応する事務所です。東京、大阪など大都市圏を除く道県では、多くの事務所が一般民事事務所です。一般民事事件が中心といっても、地方の有力企業(時には上場企業)の顧問をされている先生もいらっしゃるので、単純に一般民事事務所と分類してよいのかという気もしますが、そのような先生も含めて町弁の一形態と考えることにします。

このような分類には異論もあり得、私自身この分類が正しいと確信しているわけでは全くないのですが、弁護士の就職活動で比較的人気があり情報に価値があるのは企業法務を中心とする大都市圏の事務所の情報だと思いますので、今後その情報にフォーカスするための定義づけとしてご容赦ください。

 

就職活動の際は、この二つの分類は最低限意識し、自分はどちらかといえばどちらに興味関心があり、やってみたいのか、考えて候補先を決めるのがよい気がします。

どちらも同程度に関心があるならば、どちらも同程度扱っている事務所を目指すのがよいと思います。企業法務事務所では一般民事は少なく、一般民事事務所では企業法務は少ないのが一般で、やりたくない業務をやることはミスマッチの典型だからです。